2020.11.14 22:02パイプオルガン これは私が現在通っている教会の一つ、ベルギーのある教会のパイプオルガンです。 どのパイプオルガンでも感動してしまうのですが、私は毎回、下から見上げて、その大きさに圧倒され、そしてこの大きな楽器から吹き出される豪快なハーモニー、時に繊細な音色に鳥肌が立ち、心が震えます。何度聴いても、何度体験しても慣れることがありません。 欧州に来て、初めてパイプルガンと演奏し、その後も幾度となく時間を共にした楽器、パイプオルガンは私にとって大好きな楽器ですが、実は最近までパイプオルガンのことはあまりよく知りませんでした💦 一体どれだけの楽器の音をかね備えているのか、見えていないところはどうなっているのか…etc…。そこで私が最近やっと学んだことをここに少し書き出してみます。 パイプルガンは、紀元前ギリシャ時代に誕生した楽器と言われており、当時は水圧によって押し上げられる空気で音を出していたそうです。但し、この水圧を利用した機能は、パイプオルガンのために考えられたものではなく、水圧を...
2020.11.14 21:48ライトロックダウン ドイツのある州の様子 2020年11月現在、ドイツの私の住む州では再びライトロックダウン、という感染予防規制が行われています。 学校はいつも通り、しかしながら先週までは歩行者は、一部の緑の多い場所を除いてマスクをつけて外出しなければなりませんでした。(マスクを着けずに歩いてる様子が悪質な場合、最悪2万5千ユーロ(約300万円!)までの罰金が課されると通達されました😵) 残念なことに、先月までは機能していた劇場もすべて再び閉鎖。 個人的にはマスク、消毒を徹底した劇場内での感染、クラスターの心配よりもマスクなし+至近距離で、人とぶつかって歩いてる街中のショッピング街の方がよっぽど危険な気がしていましたが、街中の歩行は今週もマスク必須となっているところを見ると、やはりそこも危険だったのか、と実感します。 また急激な感染増加はバカンスの後に起きているので、長期旅行はもちろん、欧州人におなじみの1〜2週間の旅行も感染増加に繋がってしまうのかな、という感じは否めなくなってきていると言われていま...
2020.08.31 12:00マティアス・ゲルネ+ヤン・リシエツキ in Düsseldorf 2020年8月30日日曜日、ロベルト・シューマンホール(デュッセルドルフ)にて【Kavier–Festival Ruhr 2020/ルアー地方のピアノフェスティバル】の幕が開けました。 このフェスティバルは名の通り、ピアノ演奏を中心としたフェスティバル。ピアニストのキャスティングを中心に約2ヶ月間、このルアー地方の街々で演奏会が開かれる催し物のようです。 『…ようです』と言いますのは、実は今回初めて知ったフェスティバルで💦本日初めて演奏予定プログラムを見て、その内容と豪華さに興味を持ったところです。 さて、私はたった今、このフェスティバルのプレミエ/こけら落とし公演から自宅へ戻ってきました。 今晩の演奏会はバリトン、マティアス・ゲルネとピアニスト、ヤン・リシエツキによるオール<ベートヴェン>のドイツ歌曲プログラムでした。 ヤン・リシエツキは1995年生まれカナダ出身の現在25歳のピアニスト。2009年のパリでのリサイタル開催を皮切りに、2010年にはミュンヘンにて...
2020.08.28 12:00シンフォニーコンサート in Theater Krefeld+M’gladbach より 本日のおしゃべりはコンサートレポートです。 一昨日の晩、半年ぶりの生・シンフォニーコンサートへ出掛けて参りました😍 今回私がお声掛け頂いたのは、私の住んでいる街から約30キロほど離れた隣町・メンヒェングラートバッハの交響楽団(ニーダーライニッシェ交響楽団)の演奏会。この町は約26万人(東京都・府中市が同じくらいの人口。町の規模がご想像頂けるかと思います)の住む街です。 ドイツでよく聞くパターンですが、中都市+小都市、小都市+小都市など、近郊の2都市で、一つのオーケストラ、専属オペラ歌手、専属合唱団、バレエ団などを共有し、日々、オペラ、バレエや演劇公演、演奏会を行うシステムを用いているところがあります。 ドイツではオペラハウス、交響楽団、専属芸術家や、技術職、事務に関わる方達は<国家公務員>ですので、国が劇場、公演を支えながら、芸術を途絶えさせない、日々そこにある芸術に触れる環境を、機能的に守り続けている形が見られます。 もちろん1都市で、大オペラハウス+小オペラハ...
2020.08.23 12:00モーツァルト オペラ<ツァイーデ>より≪Ruhe sanft, mein holdes Leben(憩えよ、私の愛おしい人)≫ モーツァルトの未完のオペラ<ツァイーデ>。モーツァルトの死後、遺品の中から妻・コンスタンツェによって発見されたこのオペラは、コンスタンツェも知らなかった初お目見えの作品だったそう…。当初オペラの名前さえもついていなかったため、ヒロインの名前(ツァイーデ)をそのまま用いて発表したそうです。 結末も不明だったこのオペラは、のちに補完され、現在は楽譜として手に取ることができます。 私もこの作品を手渡されるまで見聞きしたことのなかったオペラでした。 未完の作品だったとはいえ、この作品の後に書かれたというオペラ<後宮からの逃走>の完成度には及ばぬものの、楽曲の美しさはさすがモーツァルト‼️各所にモーツァルトならではの、うっとりするようなメロディが散りばめられています。 この作品の舞台はトルコ。お話のあらすじですが、『ヨーロッパから捕虜として連れられてきたツァイーデは、やはり他国から捕虜として連れられてきたゴーマッツに恋をする。やはり皇帝の捕虜であり、皇帝の部下でもあったアラ...
2020.08.21 11:00Église Saint-Hubert / サンテュベール教会 (ベルギー ヴェルヴィエ) ベルギー・ヴェルヴィエにあるカトリック教会・サンテュベール教会。以前このブログで(2020年7月12日)お話しさせて頂いた調律資金のためのチャリティーコンサートが行われる予定の教会を、やっと一昨日忘れずに撮影できました☺️ 現在、コロナ感染者数が増加してるベルギーでは、道を歩く時もマスクをしてほしい、と言われていますが、教会は貸し切り、教会のパイプオルガンの場所まで上がり、楽器から少し離れたところで歌う分には離れている距離も充分、遠慮は要りません。 このような時期なので、広々とした教会を見渡して稽古ができるのは、何よりの贅沢、そして誰もが気軽に教会へ出入りできるよう、教会のドアが空いてるところから演奏が聴こえるので、時々、涼みがてらお客様のように座って聴いていってくれます。 フランス語なので私は直に理解できませんが、オルガニストの友人によると、多くの人が『小さな街で行われるボリューミーなクラシックコンサート‼️ 定期的に行われるわけではないので珍しいこ...
2020.07.29 08:40クリスタ・ルードヴィッヒ(メゾ ・ソプラノ) 音大に入り3年目、私はドイツ歌曲を学び始めました。 最初はシューベルト<音楽に寄す>だったでしょうか…その頃はまだイタリア語の作品しか歌ったことがなかったので、ドイツ語にはカタカナをふって練習していました。 先生にレッスンしてもらう前には歌えていなくてはいけません…<ドイツ語>は履修していたと思うのですが、どうやらドイツ語として読めるようにはなっていなかったらしく、私の記憶ではまず楽譜を買い、図書館に行き、CDを聴きながら何度も巻き戻して、発音を聞き取って書き留めていたような… 発音記号を調べて勉強する、という手段は思いついてなかったのですね💦(『それがとても大切な工程なのに』、と今更ながら思い出して反省です) ドイツ歌曲を勉強するようになり、ドイツ歌曲を歌う方をたくさん聴きました。 クリスタ・ルードヴィッヒはその頃特に聴いていたドイツのオペラ歌手の1人です。クラシックファンの方には馴染みある、誰もが知るところの有名なオペラ歌手ですよね。 現在92歳、ま...
2020.07.27 10:34クララ・シューマン⑤ー④の続きー 1840年の結婚、41年の歌曲作品作曲への挑戦、妊娠、出産、そして僅かな(しかし大舞台での)演奏活動を経て、1842年、クララは再び演奏活動を活発に行う兆しを見せ始めます。 ライプツィヒを筆頭としたドイツ国内の演奏会の先には、コペンハーゲン、ストックホルムと長期不在が不可欠な国外への演奏旅行も続きました。 クララにとって演奏活動は彼女の望みでもありましたが、家計の立て直しを考慮したものでもありました。しかしロベルトはこのクララの活動を受け止め切ることができず、彼女の不在中に昔の悪癖だった賭け事や飲酒に溺れていきます。 このような中、1843年(クララ24歳)、2人目を妊娠していたクララは、一方で父・ヴィークと再会すべくドレスデンを訪れています。 この頃ロベルトは、数多くの歌曲作品、室内楽作品、2曲の交響曲を評価され始め、作曲家として重要な人物と認識され始めていました。 そのため2人の結婚に反対し、断絶していたクララと父・ヴィークではありましたが、音楽界...
2020.07.26 17:08クララ・シューマン④ー③の続きー 結婚式数日後、クララとロベルトの2人はライプツィヒのインゼル通りに新居を構えます。 現在は美術館のように見える小学校とコンサートサロンが併設されているこの記念館は(写真の建物です)、1838年ロベルトとクララの結婚2年前に建てられた建物でした。
2020.07.20 10:00シューベルト D 684 <Die Sterne (星たち)> Facebook投稿【クラシック音楽バトンリレー】より****************【クラシック音楽バトンリレー第5日目】 いよいよ5日目となりました本日は、ザ・王道 "シューベルトの歌曲"からD 684<Die Sterne 星たち>をご紹介したいと思います。 先日『シューマンの演奏が苦手だった』と書いた私ですが、その苦手レベルを逸脱してもっとも難しく、できない自分に嫌気が差すしかない😭のがシューベルトのドイツ歌曲です。 何が難しいか…⁇→何もかも(笑)と言いたいくらい、非常に緻密で厳格でクリアなドイツ語の発音、楽譜通りを徹底した丁寧で忠実なベース、勝手に気分や感覚、本能的な感性で表現しすぎない(笑)。冷静さを持ちながらも、感受性、音楽性を豊かに表現すること…、どの音色(暗く重い音色など)が必要になっても、音の持つ透明感が失われない事…、時々、それらへの注意に耳を傾けていると、自分のインスピレーションが吹っ飛び、迷路に入り...
2020.07.19 10:00ロベルト・シューマン<ケルナーによる12の詩>より≪Stille Tränen(静かな涙)≫Facebook投稿【クラシック音楽バトンリレー】より****************【クラシック音楽バトンリレー第4日目】 本日第4日目が一番迷いました💦そして↓①日本シューマン協会会員の私としては②シューマンが最期に生活した街に住む私としてはロベルト・シューマンの作品は外せないだろうと😉思い、第4日目はロベルト・シューマンの歌曲<Stille Tränen(静かな涙)>をご紹介したいと思います。 曲のお話の前に、実は私、ロベルト・シューマンがずーっと苦手でした💧 協会に入ったのは、私が音楽の道へ進むきっけかをくれた中・高校の同級生、現在も日本シューマン協会札幌支部長のピアニスト・影山裕子さんにお誘いを頂いたから(でもお誘いはとても嬉しかったので、すぐに入会しました)。 会員になってからも『シューマンが苦手な私が協会にいていいのかしら?』と迷いましたが、今ではこのきっかけに感謝しています。やはり自分の好みだけではいけない!!(笑)「知ろう」ともがくことが...